Yellow Green Mechanical

八神きみどりが文章を書くブログです。主に読んだ本や、観たアニメや映画の感想を備忘録として綴ります。

筺底のエルピス4 ―廃棄未来― を読んだあとの気持ち

 

読んだら感想を書くみたいなことを前回書いた記事で書いたような覚えがあるし、ちょっとこれは簡単にでもこの読後の気持ちを記しておくべきなんじゃないかなって思ったので、書いておこうと思う。

筺底のエルピス』という作品はこれ、ジャンルはどういったものになるんだろう。伝奇SFとかそういう感じ?あまり伝奇小説を読んだことがないので、「いやこれは伝奇小説ではないよ」って言われたら「そうッスか……すんません……」って気持ちなのだけど、軽く調べてみた感じそう違っているということもなさそうだ。

感想にしたところでこの作品がどういう作品なのか記しておかなければ、ブログなんてチラシの裏にしても読むひとたちに全然伝わらないんじゃない?って思って設定を少しずつ書き出していこうと思ったんだけど、いや、実際にちょっと書いてみたんだけど、恐らく本書を1巻から読んだ方が早い。なのでここには書かない。Amazonの作品ページに恐らく書いてあるので、興味があるひとはそっちを読むのが尚早い。右側にワンクリックで購入出来るボタンもある。文明だ。今すぐ買って読もう!違う、それじゃあ感想を書く前に記事が終わってしまうのでもう少し待ってほしい。

というわけなのだが、一応本シリーズは5巻が現在(2017年9月26日現在)の最新刊ということになっている。であるのだが、確か4巻から5巻が出る間に1年ちょっとくらいの空白期間があったはずだ。

その間、4巻の感想(というか反応かな)は幾多も目にしてきた。その間に具体的なネタバレを踏まなかったのが奇跡だというくらいの頻度で見てきた。そのとき僕は2巻までしか読んでおらず、なんか精神的に良くなかったのか(前回の記事で書いた覚えがあるが)あまりしっくり来なかったので4巻まで買ってきていたにも関わらず先を読むのをやめて1年以上の時が過ぎた。そうして5巻が出た。先月(2017年8月18日)の話だ。僕は4巻を読了したひとたちの反応を思い出した。「こんなのって無い」「この先どうするんだ」「あまりにも酷すぎる(褒め言葉)」といったような反応を幾度も目にして、僕はようやく読み進めることを決めて、先ほど読み終えた。読み終えた僕は思わず言葉にした。「こんなのって惨すぎる……」と。

何を言ってもネタバレにしかならなそうなので何も言わないが、もしこのペラッペラな記事を読んで『筺底のエルピス』に興味が湧いた方がいるのなら、少なくとも4巻までは手元に置いた状態で読んでほしい。そして、是非4巻まで通しで読んでほしい。ハードルを上げるつもりは無いのだが、あまりの惨さに、僕はしばらく放心状態になった。現在手元に5巻は無いので、近々買ってくる予定だが、この先の展開はまったく予想できない。作者が何を書こうとしているのかの片鱗さえ掴めないまま、ただ続刊を買いに行くことしか僕には出来ないし、5巻を読んだら読んだで6巻を震えながら待つことになるだろうことも想像に難くない。

しっかりした骨太の設定に世界観、臨場感あるバトル描写、これでもかと書かれた人間描写。息をつかせない展開の目白押し。咀嚼しやすく半自動で飲み込めるわかりやすいライトノベルはいったん休憩して、読み応えのあるラノベに手を伸ばしたいと思っているひとにこそオススメです。

僕と同じ気持ちになれ。

一緒に引き返せない場所に行きましょう、是非。