Yellow Green Mechanical

八神きみどりが文章を書くブログです。主に読んだ本や、観たアニメや映画の感想を備忘録として綴ります。

2020年6月16日(火)の、ドラクエ7で遊んでいる気持ち

梅雨になると一際強く実感することなのだが、体調が悪い。

雨は別に嫌いではないのだが、雨が降る日というのは気圧が低下していることが多く、別に繊細な人間を自認しているわけではないのだが、気圧が低下していると自律神経がめちゃくちゃにされて生活がめちゃくちゃになることが多い。

そういう日は何事もせず大人しくしているのが一番なのだろうが、自律神経がめちゃくちゃになっていると精神が低迷するためにイライラしていることが多いし、別にイライラしやすいのは自分だけに限らないために他人とトラブルになることも多い。負の連鎖だ。僕は割と不機嫌を振り撒くタイプの害悪人間だし、その手の害悪人間は平然とその辺を歩いているため、自分が害悪人間であることをしっかり自認して強い自制心を持たなければいけないのだろうが、自分が害悪人間であることを自認すると脳がバグるのが人間なので(自分が自分の正しさ、清らかさを認めなければ誰が認めてくれるというのだろう!)、脳がバグらないようにしていきたいと強く思っている。大小限らず他人とトラブルを起こすのがこの世で最も意味の無い無駄な行いなので、その意識は常に持っていたいと思っている。愚かな人間なりの、何とか人間の振りをするための処世術というやつだ。

 

さて、1年もこの場所を放置してしまった……。

なんかこのブログというやつは適度に更新しないと「90日以上更新されていません」という文言が出てきて、訪れてくれたひとに「お、こいつは自分で開設したブログを満足に更新も出来ないやつなのだから、日頃からだらだらしてるだけのくせにやれ忙しいだのやることが多くて選べないだの言い訳や御託を並べるタイプの怠惰な人間なのだな」ということを思われ可視化されるのでとてもつらい。

別にブログなのだから好きに書いたり書かなかったりすれば良いのだが、放置すると脳の片隅に(ブログを更新する、というタスクが……)みたいな感じのポップアップが度々通知されてくる気がしている。購読しているひともいるのかどうか怪しいのだから思い上がりも甚だしい。

書くことはそれなりにあったような気もするが、別にこれといって色に満ちた生活をおくっているわけではないので、それほど無かったような気もする。わからん。なんか書くと言って放置していたような気もする。思い出せん。そんなもの過去の記事を参照したりすれば良いのだが、1年も前に書くと言っていたことを今更鮮明に思い出せるとも思えないので無かったことにしていく。

 

そんな感じで、今日は今iPadで遊んでいるドラクエ7について書いていこうと思う。

 

なぜ今、ドラクエ7なのか。

ドラクエ7というと、6までのドラクエファミコンスーファミで発表されており、全てがドット絵で描かれた俯瞰型2Dマップを旅するあのスタイルが、PS1で発表されたことにより全編3Dに移行した、ドラクエというコンテンツをそれなりに新しいかたちにした作品のように記憶している。

僕は8までをそれなりに遊んでいた子どもだった。直撃世代である父親の影響だ。なぜか3だけは完全に触れたことがなくて、ソフトを持ってもいないのに買った攻略本を眺めるようなことはした覚えがあるが、本当に遊んだことが無いので何も印象に残っていない。ちなみに魔王まで倒した作品は1と6と7だ。2は船を手に入れたあたりで広大なマップのどこに行けば良いのかわからず投げ出した。4と5は父親が遊んでるのを隣で見ていたので、自分でクリアする意欲が湧かなかったのだろう、やはり投げ出した。6は叔父さんのクリア後データを少し遊ばせてもらって、「すげぇ!こんなに強くしてみたい!」というモチベがあったような気がするのでデスタ・ムーアまでは倒した覚えがあるが、ダーク・ドレアムにボコされて嫌気が差してほったらかしにしてたらデータが消えていて悲しくなった覚えがある。7は四精霊まで倒したしモンスターパークもコンプしたしはぐれメタルをワンパンで倒せるくらいまで遊び倒したはずだ。めちゃめちゃ遊んだ。300~400時間くらいは遊んだんじゃなかろうか。にも関わらず、僕は今回思い立ってiOS版のドラクエ7を1800円くらいで買って遊んでいる。今はルーメン、プロビナあたりまで進んでいる。メルビンを仲間にするくらいの場所だ。プレイ時間にして32時間くらいだろうか。買った当初は勢いに任せて休日をドラクエ7色に染め上げるくらい遊んでいたが、今は少し熱も冷めてきて石版の世界1個か2個くらいをクリアするくらいに留まっている。

 

なぜ今、ドラクエ7なのか。

当初の疑問であるが、こう、僕は自分の記憶や、過去に摂取した作品の印象を形作った当時の感性というものに、ここ最近めちゃくちゃ懐疑的になってきているのである。

もう少し噛み砕いて説明すると、当時(ドラクエ7でいえば小学生のアホガキだった自分が)遊んだゲームとか観たアニメとか読んだ本とか、なんかそれをちゃんと意味を読み解いたりどういうことなのかを飲み込めないまま雰囲気だけで「めっちゃ良かった!」みたいなことを思っている節があって、その脳死良かった!に至るまでの道筋を、まぁ多少、それなりに作品を摂取してきてそこそこ信頼出来ると思えるようになってきた今の感性に改めて判断させることで、その脳死良かった!にちゃんとした理由を与えられるようになっているのではないか(あるいは脳死良かった!がマジで脳死していたから出てきた良かった!なのであって、実際には良くない!であるかも判断できるのではないか)、と思ってきているからなのである。

え~?思い出補正は別にそこまで悪くないんじゃない?と思う読者の方もいるはずだ。人間は現在を生きるだけにあらず。いつまでも綺麗だったり楽しかったりする思い出の中に生きて、目の前で起きるあれこれから目を逸らして本当に存在していたのかわからん「良かったあの頃」を夢想して生きるのまた、この生きづらい現代社会を生き抜いていく立派な手段だ。それは確かにそうなのかもしれない(本当か?)。

だが、アホガキが判断した「良かった!」にいつまでも縋り続けていくのは少々短絡的だ。現に、僕はドラクエ7の良かったポイントどころかストーリーさえほとんど覚えていない。300~400時間も遊び倒したのにだ。こんな印象に振り回されるくらいだったら実際に遊び直してみるのが良いのだろうと思ったのがそもそもの動機だ。あとこの禍のせいで生活が鬱屈しているので何かしらゲームで遊びたかった、今は小説の構想を練っているのだが、そのために古き良きJRPGの系譜であるドラクエシリーズ(その中でも比較的洗練されて遊びやすくなっているだろうシリーズの後期)を遊ぶことで得られるものがあるかもしれないという打算も少々という感じで、僕はドラクエ7を購入して遊ぶに至ったわけである。

 

そんな感じなので、今ちょうど半分くらいまで遊んだドラクエ7の感想を大雑把に書いていこうというのがこの記事の趣旨である。

以降、特に強く何かしらを思った地点について書いていこうと思う。

 

実に20年振りに、僕はこの世界に帰ってきたわけである。

iPadで購入したので、コントローラーを使わずタッチパネルでの操作でこうしたRPGを遊ぶのは少々というか、かなり新鮮だった。思ったほど操作性は悪くないが、別に良いとも言えないという感じの、最低限という感じの操作性だ。多少細かい路地とか、常に右上がりの小さい階段から降りてきてマップが切り替わったときに、正面に壁があった場合に大雑把な操作性が悪さして再び上階に上がってしまうなどのお茶目さには目を瞑るとして、戦闘はコマンド式のターン制なので慌てたりもせず行動を選べるしまぁ悪くない感じで遊べるといった感じの所感を抱いた。

ウッドパルナの世界に行くまでが長かったね……。僕は割とマップの行けるところは全部行ってアイテムの取り逃しもしたくないタイプなのであれこれやってたら2時間少々も掛かってしまった。ようやく石版システムを解禁して過去の世界に飛んで、やってきたのがこのウッドパルナの町。町に訪れたら荒れ果てた廃墟のような町で荒んだ住民たちが自らの町を破壊しているのを確認して、ようやくゲームが始まった感を抱く。

四の五のあらすじを書いていくのも面倒なので、所感だけ書いていく。

 

真っ先にこんな世界を救わせるの、意地が悪いにもほどがありません?

町には英雄パルナがいて、英雄は近くの塔に現れた魔物を倒すために単身戦いにいくわけだが、町民たちは約束を反故にして誰一人加勢しに行かず、パルナは倒され妹マチルダは魔物に堕ちててしまい、この世界は魔物に屈して滅ぶことになるわけである。にも関わらずこの町の名前にはパルナの名前がある。一度目の襲撃を退けた英雄の名前を冠しているそうだ。助けはしなかったが自分たちはこうして英雄を敬っているから悪くない、とでも言いたげなエピソードだ。びっくりしてしまう。二度目の襲撃は魔物に堕ちたマチルダが首謀していたが、マチルダは主人公たちがこの世界に到着して間も無く一時的に仲間になり、少ない時間だが一緒に戦うし、カラーストーン採掘場ではよくわからんことを言い始めるが最終的には助けてくれる。そんな彼女を、塔で倒さなければならない。意味がわからん。町に帰ると人質となっていた女たちは帰ってきており一件落着ムードが漂っていて主人公たちも礼を言われたりする。はぁ……どうも……、という感じだ。それでこの世界でやることは終わり、現代に帰ってくるとエスタード島の近くにはウッドパルナが復活していて、主人公たちの行動がどういう意味を持つのかということがわかってくる。

いやぁ……、意地が悪いにもほどがありません??

鬱エピソード、と一言で言ってしまうのはとても簡単だが、そんな簡単な言葉で表してはいけないじゃあくななにかをかんじる……。

こう、ゲームにせよ小説にせよ映像作品にせよ、最初に起こすエピソードっていうのはその作品を象徴するものになるので、この作品と言えば!と一言で表せるエピソードを配置することで、作品の方向性を読者視聴者やプレイヤーに示すのが手法的には一般的とされている。

で、提示されるのはこれだ。

僕がこのエピソードから読み取ったのは、この世界の一般的市民たちは愚かなので英雄が一人苦境に立たされていても助けにもいかないし自分たちで何とかする気も無いし、でも何にもしていないということを自認したくはないから英雄を敬っていますよ!と上辺だけを取り繕って暢気に暮らしており、改めて脅威が迫ってきてもやはり自分たちでは何もしないし通りすがったひとたちに助けを請うて何とかなるのを待っているだけの存在なので、あなた(プレイヤー)はそういう世界を救っていくんですよ、ということである。

あまりにも救い甲斐がなさ過ぎひん?

僕は座椅子から転げ落ちながらもなんとかiPadを拾い上げて進めていくことにした。まぁゲームというのはストーリーだけにあらずな媒体だ。レベルを上げて装備を調えて強くなっていく過程にも楽しさは感じるものだし、そもそもまだ最初の世界を救ったばかりだ。現代のウッドパルナではそんな過去の出来事も色褪せてなんだか普通に暮らしているかつての町民たちの末裔たちが暢気にしているが、まぁそれをしっかり受け継いで覚えていろというのも酷な話かもしれないので(どれくらいの年月が経っているのかもわからん)、僕は先に進めていくことにした。

 

ほむら祭りという祭りが行われるエンゴウの町だが、この世界に飛ばされた冒頭に火山が噴火するという不穏な映像を見せられる。あぁ、その結末を回避するために行動していくんだなぁというのがわかる仕組みである。じゃあ実際に、どうしてそのようなことが起こるに至るのか見ていくとしよう。

エンゴウの町ではほむら祭りが直前に迫り、活気に満ちている。主人公たちも是非参加をと薦められるが、そんな折に町一番の占い師であるパミラさんが祭りを行うと火山が噴火してやべーからやめろ!と言ってくる。しかしほむら祭りとは火山の神様のための祭りで、祭りなんかやめたら神様の機嫌損ねてヤベェだろうが!と町長は祭りを強行する。火口に聖火を放り投げる祭りなのだが、その奥には魔物がいて炎のエネルギーを集めており、そのエネルギーを集めて火山を噴火させエンゴウを滅ぼすという筋書きだ。主人公たちは全ての聖火が投げ込まれる前に魔物を倒さなきゃならないワケだ。

……こう、魔物と戦闘をする前に魔物の独り言が聞けるのだが、こいつがまた意地の悪いことを言うんだよね。

 

「存在もせぬ 炎の神をあがめ

儀式をおこなうなど 人間というのは

くだらぬ生き物だ……」

 

ほ、本質~~~~!!

ドラクエ7の世界には神様とか精霊とかが確かに存在しているわけだが、どうやらこの時代のエンゴウには神様とか精霊とかそういった存在はいないということはなんとなくわかっている。でも人間というのは何か偉大な存在に頼ったり責任を転嫁しなければ正気を保って生きていけないのである。

こう、いくら当たると評判の占い師の予知といえど、しかしエンゴウの人々にとっては一番現実的な考え方のようにも思う。その現実から目を逸らして、存在しない神の存在しない機嫌や言葉を一番に尊重して自己満足のために自分たちが一番だと確信した根拠も無い方法論に縋ってガンガンに正常性バイアスを利かせた曖昧な方法を実行していく姿勢を揶揄した炎の巨人さんのこの言葉は(それも、そのよくわからん人間の習慣を逆手に取った手法を採っていながらだ)、さすがに底意地が悪いにも程があると僕は思った。

それでもパミラさんは諦めないし、主人公たちも現代に戻って特別なアイテムを持ってきたりしながら、エンゴウを救う。

 

僕は何を救うためにこの世界に降り立ったんだ!?

いよいよわからなくなってきた僕は、しかし育成の楽しさといった別の部分に目を逸らしながらゲームを進めていく。

 

あ…ありのまま

今起こった事を話すぜ!

 

『おれはドラゴンクエストをプレイしていた

と思ったらいつのまにか昼ドラを見ていた』

 

な…何を言っているのかわからねーと思うが

おれも何をされたのかわからなかった…

 

頭がどうにかなりそうだった…

駆け落ちだとかNTRだとか

そんなチャチなもんじゃあ断じてあるんだが

 

もっと恐ろしいものの片鱗を味わうところだったぜ…

 

  • ユバール

と、あれこれ思ったり思わなかったりしながらプレイしていた僕だったが、ようやくドラクエ7というゲームを一度でもプレイしたものなら絶対に忘れないだろう世界に辿り着くに至った。

 

ユバール……そう、キーファの離脱である。

当時、ゲームというのものにストーリーがあるなどとは露とも思い至っていなかった小学生のアホガキだった僕ではあるが、しかしキーファの離脱には大層驚いた。……いや、本当に驚いたのかどうかは知らんが、なんかそんな印象だけは強く残っている。

主人公が冒険に出るキッカケを作り、ずっと一緒に冒険してきた無二の仲間の離脱だ。なんかよく覚えていないが、そこに至るまでには大層に大層な理由があるに違いないはずだし、そうでなければそんな印象は残らない。どうでも良い奴がどうでも良い理由で離脱していっても「ふーん」といった感じだ。だから僕はこの世界に辿り着いて、それらしい雰囲気を察した瞬間に身構えた。

どうやらキーファはここで離脱するらしい。彼が離脱することは最初から知っていたわけだから、装備は常に主人公のお下がりを着せ、種や木の実といった能力向上アイテムは一切注ぎ込んではこなかったが、しかし戦力は確実に低下するし、そこに至るエピソードで喪失感に咽び泣く恐れがある。確かこの一族は二度と出会えないはずだからアイテムの取りこぼしがあっては困るし、僕はとても慎重にこの地方を歩き回った。

 

そして僕は愕然とした。

インターネット界で長く生きている者なら当然のように知っているとは思うが、キーファには大層不名誉なあだ名がある。

『種泥棒』だ。

僕は当時おうちにインターネット環境が無かったし、上京して一人暮らしを始めてからようやくその環境を手に入れたものの、しかし昔やったゲームの情報などを改めて調べたりなどはしなかったので、実はこの不名誉なあだ名というのはごく最近知ったのである。なんとも不名誉なあだ名じゃないですか。いくら途中で離脱するとはいえ、ずっと一緒に戦ってきた親友相手に付けるようなあだ名ではない。なんか怨嗟のようなものまで感じるし。手に入れにくいとはいえモンスターがドロップするアイテムを使ってしまったからってそこまで言うほどではないんじゃないか、と僕は思ったが、今そう思えるかどうかはちょっと怪しい。種や木の実は一切注ぎ込んでいないにも関わらず。

 

女の尻、追っかけちゃったんだね……。

それ以上でもそれ以下でも無かった。

…………。

一応、もっともらしい理由というのはある。

幼少期からグランエスタードの王になどなるつもりは無かったキーファは、こうして石版を通じて過去の世界を救うにつれて、自分には世界を救う素質も無いし、またそれに興味を持ち続けることも難しいといったような理由が、ユバールのテントで独白のように語られる。

やりたいことを探し続けていた結果、出会ったのがユバールのライラだったのだ。

彼女に一目惚れしてしまったから、この世界に残るのだという。

ふーん……という感じだ。

王子という立場も、世界を救う冒険者という立場も投げ捨てて、その末に出てきたのが女の尻を追っかけたいという欲望だったわけだ。確かにキーファは女好きな面もあるし、その理由がいきなり無から生まれてきたわけではないが、いきなり無から生まれてきた方が熱意が伝わるのがこの手の理由である。今まで散々女遊びしていたやつがいきなり「俺、あの子と結婚することになった。子どもが出来ちゃってさ」と、付き合ってもいない女の子との間に子どもをもうけてしまった男が、それから真人間になっていくという美談は創作においては探せばいくらでもありそうだが、現実はそう甘くないイメージが付き纏っているのは甘くない現実を沢山見てきてしまったためだろう。

まぁ、そんなありがちな現実を持ち出さなくとも、キーファの離脱は正に途中離脱なのである。「流されるように世界とか言ってたけど俺はもうそろそろ限界感じてるっぽいしそろそろやめるわ。ちょうど好きになったっぽい女の子もフリーになったっぽいしそっちとよろしくやるわ。お前も世界?とか頑張れな。あばよ!」ということなのである。インターネットには沢山の怪文書が残されているので「でもキーファが残ったことでこの世界は現代に蘇って世界を救うピースになったんだ!」とか言ってるひともいたが、それはただの結果論でキーファの行為を(少なくとも主人公サイド、グランエスタード王にとって)何ら正当化できるものではない。キーファは、無責任に逃げ出したのだ。そこに何かしらの大きな理由とかあると思って美化されていた記憶が、途端に薄っぺらいものになってしまって、僕は悲しかった。

彼を『種泥棒』にしなかっただけ、マシな冒険だったのかもしれない。ネタバレを忌み嫌う僕ではあるが、こればかりは最初から知っていて良かったと思ったのだった。

 

いよいよモチベーションが低下してしまった僕ではあるが、ようやくシステムの目玉である転職と、移動手段の質向上である魔法のじゅうたんが目前に迫ってきたので何とかそれを繋いでいた。

結果だけ書くことにする。

 

プレイヤーのことバカにするのやめません?

どちらも「よくここまで辿り着いた!では差し上げよう!」って言ってから取り上げられてストーリーなりクエストなりのクリアを求められるんだけど、最初から手に入ることがわかってるシステムやアイテムを一旦渡しておいてから「残念でした~!」ってされるの不愉快以外の何物でも無いから今すぐやめろ。あとその改めて提示されたストーリーなりクエストなりをクリアしてから渡されてもご褒美でもなんでもないしそもそもそれを手に入れることでソシャゲでいうところの人権(持っていないとまともにプレイできないキャラのことをそう呼ぶ文化圏がある)を手に入れるも同然なのだから買い切りの一本道RPGではあって当然のものなんだしさっさと渡せやって思われるのも当然じゃない?何よりダーマ地方の話は本当に不愉快だったし面白くもないし煩雑だしやたら規模感にちから入れてるしで(強制負けバトルが2回あってボス戦が3回あるので他の地方の4~5倍くらい長い暗くてどうしようもない話をやらされる)本当に嫌になってしまった。それが終わってようやく転職システム解禁したと思ったら魔法のじゅうたんでも同じことされてブチ切れてiPadを窓から投げ捨ててしまった。もちろんiPadは精密機器なので窓から投げ捨てるというのは嘘なのだが(嘘を吐くのはやめよう)、それくらい残念な気持ちになったという意味では嘘ではない(嘘なので嘘は吐くな)。

 

  • それから

そんなこんな思いながら、なんとかプロビナまでクリアしたのが今現在である(なんかこの辺はどこから進めても良いっぽい雰囲気を感じるのでルーメン→世界一高い塔→プロビナという順番でクリアしている)。

正直、モチベーションがだだ下がりしているのが今である。

一応は魔王オルゴ・デミーラを倒すまではやろうと思っているが、果たしてそこまで時間を費やすことに意味があるゲーム体験なのか、まったくわからなくなっている。

 

ウッドパルナの時点で、このゲームの方向性というのは示されている。そこから各地方を巡ることでオルゴ・デミーラの存在も示唆され、この世界がどうしてエスタード島しか残らなかった、という理由もなんとなく出揃ってもきている。

つまり、魔王オルゴ・デミーラが直接手を下さず、手下なりを使って人間たちの負の感情を刺激して自ら滅ぶように仕向けたり、ちからを持つ手下なりが理不尽に手を下したことで、この世界はそのようなかたちになったのである。

滅びた世界を救うというのも、考えてみれば苦い思いを抱く行為だ。主人公たちが介入することでその世界は確かに救われるのかもしれないが、そこに至るまでには人間の愚かさやどうしようもなさみたいなものが確かにあって、それと向き合わない限りはその地方の滅亡など無かったことには出来ない。主人公たちは良いように利用され、場合によっては罵倒されたり追い出されたりもされ、それでも世界を救うためだからと感情を殺してこころ無い住民たちのために行動するのが、ドラクエ7においての「世界を救う」ということなのだ。滅びに至るまでには、確実に住民たちの愚かさがあるのだ。逆に理不尽に滅ぼされる話というのも出てくるが、それゆえに住民たちの機微とは無関係に進行する話なので印象には残りづらい。このゲームは修羅道か?と問いたくなる。漠然と世界を救うという善性にばかり重きを置いてしまう感覚に一石を投じたかったのだろうか。だとしたら、その意図というのはとても強く発揮されている。これ以上無いくらい重い石が投じられているように僕は思う。

 

  • 楽しいこと

楽しくないことばかり書いたので、楽しかったことも書いておこうと思う。

あれだね、どうしてもこういうRPGって消費アイテムを大事にしてしまうのが常だと思うんだけど(ラストエリクサー症候群っていうんだっけ)、その辺あんまり考えないようにして、賢者にしたAIマリベルにもガンガン呪文撃たせて魔法の聖水とかもガンガン使うようにしたらそこそこストレス感じないプレイが出来ている気がしてそこは楽しい。メラゾーマイオナズンもガンガン撃ってくれ!マリベル!!

 

マリベルと言えば、最初は田舎村の中途半端なお嬢様のくせしてクソ生意気なことばかり言って許せませんわぞ~~!!って思ってたけど、キーファが離脱したくらいからプレイヤーの気持ちを代弁してくれるようなことを言ってくれて(理不尽なオッサンとか出てきたら「なによあの理不尽なオッサン!!許せないわムキ~~~!!」とか言ってくれる)印象が良くなってきた。カワイイ。マリベルをスーパースターにさせることだけをモチベにしてやっていくのも全然アリかもしれないとか思っているのが今だが、僕は善良な市民なので温かい気持ちで見守ってほしい。是非に。

 

 

そんなようなことを吐露したかった。

長い記事になる予感はしていたが、1万字ほども書いてしまって自分に唖然としている。

一応は、オルゴ・デミーラを倒すくらいまではやっていきたいと思っている。1800円とはいえ払ってしまってはいるので。コンコルド効果にならないように願う。

 

ドラクエ7プレイ後記にせよ、他のことにせよ、何かしら書いていきたいとは思っている。90日以内に会おう。

読んだらコメントとかしてくれても良いよ。

返事をするかどうかはわからないけど……。