Yellow Green Mechanical

八神きみどりが文章を書くブログです。主に読んだ本や、観たアニメや映画の感想を備忘録として綴ります。

2020年7月2日(木)の、ダークソウルリマスターで遊んでる気持ち

7月になっちゃったね……。あたし、6月くんともっと遊びたかったょ……。

 

ダークソウルリマスター版で遊んでいる旨は前回の記事でちょっと書いたんだけど、ここをほったらかしにしている間にそこそこ進んで、あーだこーだ言いながらやっていた鐘のガーゴイルくんも倒したりして、実はもう1周目クリア直前だったりする。

 

あれだけ文句を言っていたにも関わらず、どうやらシステムをちゃんと理解なり把握なりしていなかったのがちゃんと楽しめていないそもそもの原因だったようで、それは例えばレベル上げだったり装備の準備だったり、アイテムの活用法だったり、白サインでNPCを呼ぶだったり、ちゃんと用意されている手段を活用せずにバカの一つ覚えみたいに戦って返り討ちに遭っていたのであって、活用できる方法をそれぞれ試したり準備をそれなりに整えるようになったらトントン拍子に進められて一気に楽しくなってどんどん進められた。

僕は精神が未熟なので死にゲーってどうも向いていないように感じていたんだけど(ならどうして買った?と思うかもしれないが……)、死ぬことに抵抗感が無くなってきたのも要因としては大きい気もするし(ソウルは回収すれば良いのだ。もう1度死んでロストしなければ失敗は失敗ではない)、例えばボス戦だったら1戦1戦を無為にやらないようちゃんと行動パターンなりを覚えるようにするとか気を付けるようになってから致命的な失敗というのも少なくなってきたし、ゲーム自体に順応して趣旨ともちゃんと向き合えるようになってきた気がする。

初見殺しに対しても「うわ初見殺しかよー!次気を付けよ!」みたいに思えるようになったのはホントにデカイと思う。

そんなこんなでダクソリマスター版、めちゃめちゃ楽しく遊んでいるので、クリア前にちょっと振り返るみたいなことをしておこうと思う。

 

  • 北の不死院~城下不死教区

ダクソ3は触らせてもらったことがあったので、ダクソというシリーズがどういうゲームなのかは知っていたが、僕はゲームハードをSwitchライトしか持っていないので当然それでやることになり、Switchライト自体のボタン配置だったり、この物理的にスリムで薄いボディのLR1とLR2を同時に押さないといけない操作感にひたすら苛ついていた(結局ボタン設定は変更した)、僕の中でのダクソ夜明け前プレイ体験記。

不死院のデーモンをなんとか倒し、祭祀場にやってきてぶらついたり、小ロンド遺跡に向かって逃げ帰ってきたり、城下不死街に進んで牛頭のデーモンに勝てず頭を掻き毟ったりしていたね。

楽しいというよりは苦行に向かっているような気持ちでやっていたので、実を言うとそんなに強烈な記憶というのは残っていない。散々っぱらドラクエ7の文句を言いながらそれを投げ捨て、その代わりに買ったゲームでもこんな気持ちにならないといけないのか!という気持ちでやっていたのでプレイヤーとしては最低な輩だったと思う。牛頭のデーモンは火炎壺を投げまくって勝った覚えがある。友人からは魔術とか呪術を駆使するプレイが向いているのでは?とアドバイスをもらったが、毎回こんな気持ちで戦うなんてちょっと信じられなくて、必要なのはとにかく体力とスタミナだ!という気持ちに駆られてとにかく体力とスタミナにステを振りまくっていた覚えもある。思えば装備もテキトーなやつを装備していたな。どうせ死ぬんだから……という良くない諦観が負のサイクルを招いていたのだと今になったらわかる。あと牛頭のデーモン直前の黒騎士にボコされたりもした。進んだ先のヘルカイトくんに焼き殺されたりもしたし、その橋の下の狭いところにいる槍兵とその奥にいるネズミに苦しめられたりもした。その上にいる黒騎士には当然殺され、鎧を着たイノシシを見た時は完全に絶句したし、上手く焼き殺せたときも完全にマグレだったのでもうホントに半泣きになりながらプレイしていた。不司教区に着いてバルデル装備を集めて、ちょっと固い赤マント騎士たちとはそこそこ上手く戦えるような気がしてダクソちょっと遊べてるんじゃね……?みたいな錯覚を抱き、そうして鐘のガーゴイルに10戦くらい挑んでことごとく返り討ちに遭ったのが、前回記事を書いたときまでの大まかな流れだ。

結局、赤マント騎士たちから楔石の欠片を掻き集めて装備を強化し、剣から持ち替えた槍をそこそこ使えるように練習し(苦しい操作感により軽快なプレイ……僕はアクションゲーでは中~遠距離攻撃を主体にして機動力を最優先にするのだが、それを捨て去り、どっしり構えてじわじわ倒すという方針に切り替えた)、白サインでソラールさんを呼んで改めて戦ったら(その前に鍛冶屋アストレイの隣にいる楔のデーモンに1ミリを削り切れない無念の敗北を喫したりもしたが)結局被ダメ0という極端な勝ち方をし、僕のダークソウルリマスター版が夜明けを迎えたのだった。

不死教区の上にある鐘を鳴らして、僕はようやくダクソが面白いという気持ちを抱き始めた。

 

  • 不死街下層~最下層

つつがなくボスの犬に連れられた山羊頭の不審者を倒し、いざ最下層へ!

僕は割とスラムっぽい雰囲気というかファンタジー世界における下水道みたいな場所が好きなので、結構うきうきでマップを歩き回った。たいまつを振り回す亡者たちをなぎ倒し、脳筋コックをちくちく倒し、腐った犬を振り払って探索してたらダストシュートみたいなところに吸い込まれ、巨大オバケネズミの前に落とされて完全に死を想った。

なんとか戦うも完全な火力不足に気付いて逃げ回ってたら下水の更に下層に落とされて事なきを得たと思った。そしたら侵入してくる闇霊カーク。ネズミとバジリスクを伴ったカークから逃げているのか何なのかわからなくなりながら半泣きで戦って何とか生き残った。ここら辺でようやく最低限の自信が付いてきたように思う。空間把握能力が壊滅的に死んでいるので何時間かその辺りを彷徨い歩いて、人間性と楔石の大欠片マラソンをして、鐘のガーゴイル戦の教訓も活かしつつソラールさんも呼んで、いざ貪食ドラゴン戦へと向かった。

 

いやぁ、貪食ドラゴン、完全にこころを掴まれるビジュアルだったよね……。

なんていうか、ドラゴンってこう、カッコイイ生き物じゃないですか。ヘルカイトくんなんか割と正統派な飛竜って感じのデザインだし、オープニングムービーで出てきた白竜シースくんなんかも鱗が無いとかいいつつしっかりドラゴンって感じの見た目をしているわけだし(その所感は盛大に裏切られることになるのだが)、ドラゴンっつったらやっぱりこう一般的なドラゴン的なカッコ良さ(語彙力が無くてスマン)を完全には消せないデザインになってると思うんだよね。

まぁそんな感じだし僕も割と攻略サイトなんかでそこそこ情報を見てから遊んでるわけなので(攻略動画を観るほどの対策魔というわけではないが、どういうボスと戦うことになるのかくらいのこころの準備はしておくタイプだ。何をしてくるか、というあたりがネタバレのラインになるのかもしれない)、貪食ドラゴンって言われたら“貪食”よりも”ドラゴン”の方が読みやすいし「へ~次はようやくドラゴン戦か~~」って思うわけじゃないですか。

そしたら出てくるのがアイツじゃないですか。

いやぁ……。

ドラゴンという生き物に対しての先入観を木っ端微塵に壊されて、「こういうデザインでもドラゴンを名乗って良いのか!」という気持ちになってめちゃめちゃテンションが上がった。いや、ゾンビドラゴンみたいなのは確かに色々な作品にも出てくるけど、そういう「あくまでドラゴンというシルエットからはそんなには外れていない」という範囲の話じゃなくて、貪食くんは完全に異形じゃないですか。ムービーでは最初に可愛らしいヘビみたいな顔がひょこって出てきて、そしたらカメラが下に降りていって、あの彼を象徴する胸のあたりの肋骨だか牙だかさっぱりわからん大口が映されて「うひょー!」ってなって、そういえばここは下水の更に下の最下層の深淵だし、そんなクソきったない場所に住んでるドラゴンがマトモなドラゴンなわけが無かったんだ!僕たちのドラゴン像はまだまだぶっ壊せる!という気分になりながらも超大型ボスとの初戦闘で勝手がわかるわけもなく殺されて人間性が無駄になった。めちゃめちゃテンションが上がりながらも再戦を挑み、吐いてくるゲロを浴びて武器をぶっ壊されそうになりながらも何とか勝ち、僕はもう完全にダクソリマスターの虜になりかけていた。

そんなこんななんだけど、貪食くん。どうやったらああいう形になるんだろうね。彼が何を思ってどうしたらああいう形になるのかとても気になる。なんかそういうの解説したり考察したりしてる文章があったら是非読みたい。僕はもっと貪食くんのことが知りたいんだ。

 

  • 病み村

そして僕が完全に虜になったマップ、病み村。

もうね、本当に好き、病み村。

こう、祭祀場から出発して、不死街に行って不死教区を越えたらあとはどんどん街の下へ下へと降りていくわけじゃないですか、万能鍵を最初に選んでいない限りは(僕は臆病なので女神の祝福を選んで、今は完全にそれを持て余している)。不死街、不死教区、不死街下層、最下層というマップの繋がりというのは結構明確で、予想の範疇といったら強がりみたいに聞こえるかもしれないけど、でも街の構造という点で考えれば飛躍の無い造りになっているし、感覚的にも理解が及びやすいと思っている。

でもそこから病み村は完全に飛躍しているんだよね。

きったない下水を越えて、そしたらそこには気が狂った亡者たちが明らかに生活を営んでいるっぽい集落が作られている。洞窟みたいな場所に気が狂ってるとしか思えない足場がどういうバランス感覚の元でかはわからんけど確かにプレイヤーが歩けるように組み立てられていて(探索させるためのマップなので物理的に崩壊されても困るシステム上の問題という面もそりゃあるが)、でも普通に足を踏み外したら落下死する危険もある二次元方向だけでなく三次元方向にも入り組んだマップを歩いているあのドキドキ感は、そうそう味わえる体験ではないと僕は強く思った。それでまぁ進んで行くわけだけど、そうすると石造りの……あれはなんだ?街の土台の基礎か?わからんが、なんかそういうところに完全に寄生して造られた大規模な集落だというのがなんとなくわかってくる。気が狂った亡者たちが少なくなってきて、そしたら今度は火を吐く虫とかやたら鬱陶しいデカイ蜂みたいなのも出てくるし、猛毒の吹き矢も飛んでくる。もう何も意味がわからん触手の何かもいるし(火炎壺を投げまくって焼き殺した)、もうホントに意味がわからん病み村!好きだ!!という気持ちになりながら探索した。

こう、クラークの『幼年期の終わり』のオーバーロードたちの母星の光景だったり、レムの『エデン』の惑星エデンだったり、『シドニアの騎士』の奇居子たちに支配された惑星だったり、『灰と幻想のグリムガル』のダルングガルやパラノだったり。明らかに「この場所は自分の気が確かだと錯覚する人間たちがそのちっぽけで狭い価値観を常識だと振りかざして来て良い場所じゃないだろ!」みたいな場所を、常に死を意識しながら歩き回ったりうろついたりする(『幼年期の終わり』に関しては少しニュアンスが外れるかも。レムの『砂漠の惑星』がより近い感覚かもしれない。意味のわからなさで言ったら『エデン』には少し劣るが)、と言うのが僕は本当に好きで(ホラー映画でオバケの出る建物や土地を歩き回るとかだと伝わりやすいかもしれない。そこから更に踏み込んで、建物や土地が人間の価値観や常識のうえで造られていなければ尚良い。その建造物や装飾品のデザインの意図や意味がわからなければわからないほど良い。最悪、生物的な不気味さでカバーしてくれても良い。意味がわからなければわからないだけ、怖ければ怖いほど良い)、だから病み村は本当に好きだと思ったし、可能なら記憶を失くしてもう1回病み村を探索したいと今でも思っている。

途方も無い存在(それは生き物でも良いし、建築物でも良いし、現象でも良い)に「お前のようなちっぽけな存在は無価値だ」と言葉としてではなく存在そのものとして突き付けられたいのかもしれない。この辺の自分の欲求が何に由来するのかはよくわからんが(子どもの時に宇宙の本とか眺めて、ブラックホールだとか巨星だとかなんたら星雲とかを見て「マジで人類無力じゃん……」みたいなこと思って死ぬほど怖がった体験が原初体験になってるのかもしれない)、なんかそういうのを病み村に感じたのだな。

それで一番下まで降りたら毒の沼地になっているし、テンションが上がりながらもそんな中を歩き回る根性も無く、上に行く装置みたいなのがあったからそれに乗ってひたすら上を目指し、飛竜の谷に着いて見覚えのある小ロンド遺跡に戻ってきて祭祀場に戻ってきてしまった。攻略サイトを見てクラーグの住処に行くことを知って、慌てて引き返して病み村に戻ってきた。この「もっと真剣に探索をしろ!」と責め立てられるような情報量の少なさにも愛おしさを覚え始めた頃だった。

 

  • それから

というのが、僕がダクソで遊んでいた時のテンションのピークタイムだった。

そこからは割と常に高いテンションで遊べているように思う。

クラーグの住処ではクラーグさんと戦ったわけだけど、蜘蛛の頭から人間の上半身が生えているというデザインには覚えがあったので「もう一捻り欲しかったな~」みたいな謎の要望を覚えるくらいには落ち着きを取り戻し(混沌の娘はとても良いと思う。あんなナリをしていながらハチャメチャに薄幸感漂わせているのはズルい)、センの古城で発狂しそうになりながらアイアンゴーレムを倒し(アイアンゴーレムくんにはハメ殺しされたのを未だに根に持っている)、アノール・ロンドで死にまくりながら死ぬほどレベル上げをしてスモウさんのソウルを手に入れて悲しみに咽び泣き(槍使いなのでオーンスタインさんのソウルが欲しかった……。でもどちらを先に倒すとかそういう器用なことが出来るプレイスタイルは無かった……)、なんやかんやし、後はDLCエリアを除けば四人の公王とグウィンを残すのみという感じになっている。

あぁ、シースくんの話をしたんだったね。

シースくん、なんか道中の道のりがボスって感じだったね……。確かに対策をしていかなかったので呪い殺されてえらい目に遭わされたんだけど、呪い対策を万全にしていったらぐるぐる回ってるだけだしデザイン的に僕の好みじゃなかったし(貪食くんが好きでシースくんが嫌いというのはどういう基準なのか我ながらさっぱりわからん。わからんけどシースくん気持ち悪くない?あの浮いてるあばらと3本の触手みたいな尻尾?をぬたぬた動かして直立してるのホントに気持ち悪いと思う。あなたは本当にドラゴンなの?)、なんかあんまり乗り気になれなくて勿体ないことしたなと思ってる。

 

また長々と書いてしまったが、今猛烈に後悔しているのは、こう、気に入ったポイントみたいな場所をスクショしておかなかったのでせっかくビジュアルが良いという話をしているのに未プレイのひとにその良さを何も伝えられていないということだ。

たぶん総括の記事を書くと思うので、その時にきみどり的絶景ポイントみたいなところを撮ってきて貼ろうと思う。

楽しみにしていてくれよな。